唯一無二のエイジングが際立つ、「メイカー ズ」の質実剛健な作業靴。

ブラックに染めた革の下から、茶色い素地が“浮き出る”通称「茶芯」と呼ばれるこの現象が、なぜここまでブーツ好きを熱狂させるのか。今回は、「メイカーズ」デザイナー・手嶋慎さんが穿き込んできた一足を紹介。

メイカーズ」の定番の1足、BONE。

米陸軍の[M-43]ブーツから着想を得て誕生した「メイカーズ」の定番の1足は、手嶋さんが革靴を製作する際のリアルな“作業靴”である。

「汚れても、釘が刺さっても良い」というほどハードに履き込んでおり、下地のブラウンが大きく露出した独特なエイジングが見て取れる。

オリジナルの野暮ったさを排除するために羽根をやや長めに設計し、美しいアーチのシェイプが際立つ木型を採用。

「個人的に茶芯はあまり好きではなくて、革靴は色落ちしないものが好み。この靴は実用性に特化した完全な作業靴ですね。つま先には先芯が入っておらず、馬革を得意とするイタリアの名門タンナー『マリアム社』のイタリアンホースバットは水に濡れても問題なく、足馴染みが良いのも魅力です」。

「メイカーズ」デザイナー・手嶋慎さん|愛媛県出身。地元のセレクトショップで勤務したのちに上京。2009年に「メイカーズ」を立ち上げる。靴のみならず、クルマや時計、自転車など様々なモノに対しての造詣が深い

(出典/「Lightning 2025年3月号 Vol.371」)